ラーメンという食べ物は、不思議なもので、食べ慣れているはずなのに、ふとした店で「あ、これはちょっと違うな」と思う瞬間があります。
それは高級店でも老舗でもなく、むしろ街のど真ん中にある一軒だったりします。
今回紹介するのは、名古屋市中区大須にあるラーメン店「Noodle Atelier有象無象」です。
場所は大須商店街の一角。人通りが多く、古着屋や雑貨屋、食べ歩きグルメが並ぶエリアの中にあります。
観光客も多い場所ですし、正直に言うとラーメン屋としては少し派手なエリアです。
そのため、初めて店名を見たときは「おしゃれ系ラーメンかな」と身構えました。
自分は普段、現場仕事の昼飯でラーメンを食べることが多いです。
正直に言うと、腹に溜まって、値段が現実的で、回転が早い店が好きです。
そのため「アトリエ」という言葉がついたラーメン屋は、ちょっと警戒します。
ただ、ラーメン好きというのは厄介なもので、そういう店ほど気になってしまうものです。
そのため、ある雨の日の昼。
仕事が休みになったタイミングで、大須まで足を運んでみました。
結果から言うと、この店は、いわゆる町ラーメンとは少し違います。
しかし、だからといって遠い存在でもありません。
スープの作り方、麺の合わせ方、そして一杯の完成度。
そのどれもが「考えて作っているラーメン」だと感じました。
ただし、誰にでも無条件で勧める店かと言われると、少し話は変わります。
なぜなら、ここは腹いっぱい食べるタイプのラーメン屋ではなく、料理としてのラーメンを楽しむ店だからです。
そのため、がっつり食べたい人は、注文の仕方を少し考えた方がいいでしょう。
自分も実際、最初はちょっと読み違えました。
しかし、食べ終えたあとに感じた満足感は、なかなかのものです。
今回は、そんな「Noodle Atelier有象無象」での体験を、できるだけそのままの感覚で書いていこうと思います。
ラーメン好きの一人として、腹で評価した感想です。
大須という街の空気の中にあるラーメン店
名古屋の大須という場所は、独特な空気があります。
古着屋、雑貨屋、食べ歩きグルメ、寺院、サブカルショップ。
いろんな文化が混ざっている街です。
そのため、飲食店もかなりバラバラです。
昔ながらの町中華もありますし、最近できたカフェもあります。
そして今回の「Noodle Atelier有象無象」は、その中でも少し異色の存在に見えました。
まず店名です。
「有象無象」。
普通ラーメン屋の名前にはあまり使わない言葉です。
さらに「Atelier」。
アトリエです。
つまり「ラーメン屋」というより、少し料理人の店のような印象があります。
店の前に立ったとき、自分は一瞬だけ考えました。
「ここ、腹いっぱいになるタイプの店だろうか。」
しかし、ここまで来て引き返すのも情けないです。
そのため、扉を開けて店内へ入りました。
席に座った瞬間に感じた空気
店内は、いわゆる町ラーメンの雰囲気ではありません。
落ち着いた照明。
カウンター中心の構成。
そして、厨房がしっかり見える作りです。
ラーメン屋というより、小さな料理店のような空気でした。
席に座った瞬間、自分は少し背筋が伸びました。
というのは、いつものラーメン屋のように、ガッと食べてサッと出る感じではなかったからです。
周りのお客さんも静かに食べています。
スマホで写真を撮っている人もいます。
「ああ、ここはそういう店か。」
そう思った瞬間、なんとなく注文の仕方も慎重になります。
メニューを見て少し迷う
メニューを開くと、いわゆる王道ラーメンだけではありませんでした。
塩、醤油、そして少し変わった構成のラーメンもあります。
自分は最初、醤油ラーメンを頼もうと思っていました。
なぜなら、初めての店では醤油を食べると決めているからです。
しかし、そのとき隣の客のラーメンが目に入りました。
透き通ったスープ。
そして、香りがかなり良い。
思わず、視線が止まりました。
「…あれ、塩かな。」
そう思って、メニューをもう一度見直します。
結局、予定を変えて塩系のラーメンを注文しました。
こういう迷い方をすると、たまに失敗するんですが、この日はどうしても気になったんです。
スープを一口飲んだときの印象
ラーメンは、比較的すぐに出てきました。
見た目は非常に綺麗です。
透き通ったスープ。
丁寧に並んだ具材。
ただし量はそこまで多くありません。
正直に言うと、最初にどんぶりを見たとき、自分は少しだけ思いました。
「足りるかな。」
しかし、スープを一口飲んだ瞬間、その考えは少し変わりました。
出汁の層がしっかりしています。
塩味は強すぎません。
むしろ、香りの方が印象に残ります。
魚介と鶏のバランス。
そして後味の軽さ。
ガツンとくるタイプではありません。
しかし、じわっと旨味が広がるタイプです。
これは確かに、丁寧に作っているラーメンです。
麺の量とバランス
麺は細めのストレート。
スープとの絡みがかなり良いです。
そのため、ズルズル食べるというより、自然と口に入ってくる感じでした。
ただし、ここで一つ思いました。
量は多くありません。
自分のように、普段二郎系や大盛りラーメンを食べている人だと、少し軽く感じるかもしれません。
しかし、一方でこのラーメンは、量で勝負しているタイプではありません。
味の構成を楽しむラーメンです。
そのため、腹いっぱい目的の人は、サイドメニューを考えた方がいいと思います。
正直に言うと万人向けではない
ここで一つ、本音を書きます。
このラーメンは、万人向けではありません。
というのは、いわゆるパンチ系ではないからです。
濃厚豚骨が好きな人。
ニンニクがっつり系が好きな人。
そういう人は、正直「物足りない」と感じる可能性があります。
自分も、昼飯として食べるなら、もう少しボリュームが欲しいと思いました。
ただし、ラーメンを料理として楽しむ人にはかなり向いていると思います。
食べ終わったあとに残る満足感
麺を食べ終えたあと、スープを少し飲みました。
気づいたら、結構飲んでいました。
濃すぎない。
しかし薄くない。
このバランスはなかなか難しいと思います。
そして何より、食べ終わったあと胃が重くありません。
ラーメンを食べたあとに、妙に身体が軽い感じがしました。
この店に向いている人
この店は、次のような人に向いています。
ラーメンを味として楽しみたい人。
大須で落ち着いて食事をしたい人。
丁寧に作られた一杯を食べたい人。
一方で、
とにかく腹いっぱい食べたい人。
こってり系が好きな人。
そういう人は、少し好みが分かれるかもしれません。
Noodle Atelier有象無象のレビューまとめ
自分は、腹で評価するタイプの人間です。
そのため、量だけで言えば満点ではありません。
ただし、ラーメンとしての完成度は高いです。
そして何より、記憶に残る味でした。
正直に言うと、また来ると思います。
次は、最初に迷った醤油ラーメンを食べてみたいです。
ラーメン屋というのは、不思議なもので、気づいたらまた行っている店があります。
この店は、たぶんそういうタイプの一軒です。

