夕方になると、ささしまライブの駅前はオフィス帰りの人の波が押し寄せ、それからゆっくりと引いていく。
グローバルゲートのガラス張りの外壁が、暮れかけた西の空をうっすら反射しているのを横目で見ながら、俺はエントランスをくぐった。
天井が高くて、空調の効いたフロアに入ったとたん、靴底の感触が変わる。
ライターたかちゃん
という事で今回はフラっと訪れた「ラーメン荒畑 グローバルゲート店」のレビューです。
メニュー
| メニュー名 | 概要 |
|---|---|
| ラーメン | 950円 |
| チャーシューメン | 1,250円 |
| まぜそば | 950円 グローバルゲート限定メニュー |
| 台湾ラーメン | 950円 |
| チャーハン | 550円 |
| ニンニクチャーハン | 650円 グローバルゲート限定メニュー |
| ベト皿 | 350円 |
| 餃子 | 400円 |
基本は「ラーメン」と「チャーシューメン」。
それに「台湾ラーメン」が並んでいて、このへんは系列他店でも見られる顔ぶれだ。
ところが、この店でしか食えないものがある。
「まぜそば」と「ニンニクチャーハン」の2つが、グローバルゲート店の限定メニューとして用意されている。
サイドメニューも意外と充実していて、チャーハン、餃子、そして「ベト皿」がある。
ラーメン1杯950円。
トッピング追加して1,000〜2,000円の範囲
ベト皿については後で詳しく触れるが、初見だと「何それ」となる名前で、そのインパクトも含めて一度は確かめたくなる。
施設内の飲食店としては、むしろ良心的な設定といっていい。
しかもネギ増量が無料というのが、地味に嬉しい。
ネギ増し無料というのは、「ご自由にどうぞ」の感覚があって、店側の懐の深さを感じる部分でもある。
店舗情報
| 店名 | ラーメン荒畑 グローバルゲート店 |
|---|---|
| 住所 | 〒453-6103 愛知県名古屋市中村区平池町4-60-12 グローバルゲート 1F |
| 営業時間 | 11:00〜23:00 |
| 定休日 | 年中無休 |
| 交通手段 | あおなみ線「ささしまライブ駅」から徒歩1分 |
| 支払い方法 | クレジットカード可 QR決済可(PayPay) 電子マネー不可 |
| お問い合わせ | 052-462-8277 |
グーグルマップ
設備
| 席数 | 30席 |
|---|---|
| 個室 | 無し |
| 貸切 | 不可 |
| 喫煙 | 全席禁煙 |
| 駐車場 | 無し |
| 設備 | カウンター+テーブル |
| お子様連れ | 可能 |
姉妹店一覧
| 店舗名 | 住所 |
|---|---|
| ラーメン荒畑(本店) | 愛知県名古屋市昭和区御器所通1-12 |
| ラーメン荒畑 一宮店 | 愛知県一宮市三条字ヱグロ61-1 |
| ラーメン荒畑 黒川店 | 愛知県名古屋市北区黒川本通4-7 |
| ラーメン荒畑 住吉店 | 愛知県名古屋市中区栄3-11-1 |
| ラーメン荒畑 新栄店 | 愛知県名古屋市中区新栄2-1-3 |
ベト皿

名前からして気になる「ベト皿」について、先に触れておく。
ベト皿とはベトコンラーメンの具だけを別皿で出すイメージのサイドメニューの総称だ。
具材はチャーシューともやし、ニラ、ニンニク。
ライターたかちゃん
ライターナカムラ
ライターたかちゃん
ベト皿という名前のインパクトも含めて、「一回くらいは頼んでみないと語れない」と思った次第だ。
量的にも価格的にも、ラーメンのお供として無理なく追加できる設定になっているので、初訪問でも気軽に試してみる価値がある。
実食と料理の考察
エレベーターを下りて、1階フロアの飲食ゾーンに入ったとき、ほんのりとした醤油の香りが漂ってきた。
強い主張ではなく、静かに鼻をくすぐる感じ。
それだけで腹の虫が反応した。
券売機でラーメン(ネギ増し無料)と、せっかくなのでまぜそばのボタンも押した。
ひとりでふたつ頼むのは食べすぎかとも思ったが、書く仕事なら仕方ない、と自分に言い聞かせた。
カウンター席に腰を落ち着けると、厨房の中の気配が近い。
鍋を扱う音、麺を茹でる湯の立つ音、それに短いやりとりがあって、店の中の時間が流れていく。
ほどなく最初の一杯が目の前に置かれた。
ラーメン(ネギ増し)
丼の縁まで来たスープの表面は、静かに光を反射している。
澄んだ茶色。
脂が浮いているが、くどい主張はない。
ネギが山のように盛られているのに、スープの色がきちんと見えている。
箸を入れてまず麺を引き上げた瞬間、「これは平打ちだな」と体で確認した。
細麺でも丸麺でもない、やや幅のある平打ち気味の麺。
持ち上げたとき、スープがよく絡まって一緒に上がってくる。
口に運ぶ前から、熱と香りが先に届いた。
啜った瞬間、口の中で醤油の輪郭がはっきりと立ち上がり、それに続いて生姜のニュアンスがふっと鼻の奥を抜けた。
醤油の清湯スープというのは、シンプルに見えて誤魔化しが効かない。
塩梅ひとつで全体の印象が変わる。
このスープは、クセのない鶏のコクが土台になっているように感じた。
もちろん原材料の詳細は俺には分からないが、動物系の柔らかな厚みと、醤油タレのキレが合わさって、胃に向かって真っ直ぐ落ちていく感覚がある。
刺激を求める味ではない。
しかし「もう一口」と手が動く。
それがこのスープの性質だと思う。
麺の食感は、茹で加減が少し固め寄りで、ツルッとした喉越しがある。
平打ちの幅があるぶん、スープをよく吸い上げながら、それでいてへたれずに最後まで弾力を保っていた。
「麺が良いと最後まで食える」というのが俺の持論だが、ここの麺はその条件を満たしていた。
ネギを増量したことで、途中からネギの青い風味がスープに溶け込んで、味の変化が自然に生まれる。
無料でこれができるというのは、個人的にかなり評価が高い。
チャーシューは主張を抑えた存在感で、食べてみると柔らかく、スープのベースを邪魔しない。
それはある意味、この一杯の設計を正直に反映している。
主役はスープと麺。
脇役がきちんと脇に徹している。
そういう構成が「また食べたい」につながる。
まぜそば
まぜそばが置かれた瞬間、「あ、見た目が違う」と思った。
スープがない。
かわりに底のほうに何かが沈んでいて、麺の上には具が盛られている。
箸を入れて底からすくい上げると、予想外のものが出てきた。
具材が底に潜んでいて、混ぜることで全体が絡まって出てくる設計になっている。
これは「混ぜながら食う」前提の一杯で、食べながら徐々に味の輪郭が変わっていく。
醤油系のタレが麺に絡み、脂の旨みと合わさって重心の低い味になる。
ラーメンがすっきりと上を向いている一杯だとすれば、まぜそばは腰を低くして地べたを這うような力強さがある。
同じ店から出てきた一杯とは思えないほど、方向性が違う。
ここで「枯花かつお」を投入する。
テーブルに置いてあるのかは確認しきれていないが、味変の要素として鰹節を加えると和風の香りが立ち上がり、一気に味の趣が変わる。
「混ぜそばって飽きないか」と疑っていた側の人間としては、この味変があることで最後まで飽きずに食べ切れた。
腹の充足感という点では、まぜそばのほうがラーメンより上だ。
密度が違う。
仕事終わりに本気で腹を埋めに来た夜は、迷わずまぜそばを選んでいいと思う。
ちゃん系について
「ちゃん系」という言葉を聞いて、ピンとくる人はどれくらいいるだろうか。
名古屋には「台湾ラーメン」や「あんかけスパ」など独自の食文化が根付いているが、そのひとつに「ちゃん系ラーメン」と呼ばれるスタイルがある。
どこか昭和の町中華を思わせる、醤油ベースの清湯スープに平打ち麺を合わせたスタイルで、名古屋のラーメン好きには「そういえばあの味」と郷愁を呼び起こす系統だ。
派手な油脂も、濃厚なコッテリ感もない。
しかし食べてみると、じんわりと体に染み込んでくる。
そういう種類のラーメンが「ちゃん系」の本質で、ラーメン荒畑はその流れを汲んでいる店のひとつだと俺は受け取っている。
ライターたかちゃん
ライターナカムラ
店の雰囲気

グローバルゲートというのは、2019年に開業した複合施設で、オフィスタワーと商業施設が一体になったビルだ。
1階には複数の飲食店が並ぶゾーンがあり、荒畑はその中の一店として構えている。
フードコート的な雰囲気というのが正確な表現に近いが、完全なフードコートではなく、それぞれの店がそれぞれの空間を持っている。
店に入ったとき、まず視界に広がるのはカウンター席だ。
30席という規模は、席数が多い印象ではないが、適度な密度で埋まっているときの店内は「ちゃんと動いている店」という活気を感じさせる。
客層は意外と幅広い。
サラリーマン風の人も、買い物帰りの親子連れも、平日の昼には近くのオフィスから出てきたとおぼしき人たちも、この店に吸い込まれていく。
全席禁煙というのは施設内ということもあって当然だが、子連れで入りやすい雰囲気になっている点は、一人で来た人間にはほとんど関係ないようでいて、実際には店の平和な空気感を作っている。
騒がしくなく、かといって沈黙が重い店でもない。
厨房の音が適度に聞こえて、料理が出来上がっていく音が距離感を埋めてくれる。
「この店は深夜近くまでやってるのか」と気づいたのは、帰り際に壁の営業案内を見たときだ。
11時から23時まで、ラストオーダーが22時半。
これは施設の営業に準じる面もあるだろうが、仕事終わりの遅い時間帯にも対応している点は武器になる。
「23時近くにラーメンが食える名古屋駅周辺の店」というのは、探すと案外絞られる。
その文脈でこの店の立地と営業時間は、純粋に競争力がある。
駐車場については、店舗専用のものはない。
ただ、近隣にコインパーキングはあるし、施設の駐車場についても別途確認が必要だ。
俺はあおなみ線で来たので今回は関係なかったが、車で来る場合は事前に確認しておくほうが無難だ。
評価レビュー
醤油清湯のラーメンとしての仕上がりは誠実だ。
生姜のニュアンスが鼻をくすぐり、鶏の旨みが土台を作り、醤油のキレが全体を引き締めている。
「昔食べたことある気がする」という感覚を呼び起こしながら、それでいてどこかに丁寧な仕事の跡が見える。
平打ち麺の食感は個人的に好みの部類で、スープとの相性も悪くない。
ネギ増し無料という設定も、「ちょっとお得な気分」を日常の一杯に混ぜ込んでくれる。
そしてまぜそばは、同じ店のラーメンとは別の食体験を提供している。
底から具を混ぜていく行程も含めて、食べること自体に能動的な動作が生まれる。
限定という要素が付加された結果、「ここに来なければ食えない」という感覚を持てるのも大きい。
ニンニクチャーハンについては今回食べ切れなかったが、まぜそばとのセットで頼んでいる人の気持ちは十分わかった。
腹が空いた状態でその組み合わせを想像するだけで、もう行動の理由になる。
一方で、「コッテリした一杯を求めている人」「量で圧倒されたい人」には、少し物足りない印象を与えるかもしれない。
荒畑のラーメンは、攻撃的な旨みではなく、じんわりと積み上がる満足感のほうが得意だ。
デカ盛りを目当てに来るなら、他の選択肢を探したほうがいいかもしれない。
しかし「疲れた日に食べたいもの」「仕事帰りにさっと寄りたい一杯」「施設内でちゃんとしたラーメンが食いたい」という状況では、この店の答えは明確だ。

