名古屋の珍しい味噌ラーメンTokyo miso style IKEDA

名古屋の味噌ラーメンって聞くと、どうしても「濃い」「重い」「白飯が欲しくなる」みたいなイメージが先に立ちます。

ところが中村区の住宅街、畑江通をハイエースで流しながらたどり着いた「tokyo miso style IKEDA」は、その先入観をいい意味でぶっ壊してくる店でした。

最寄りの岩塚駅から歩ける距離なのに、名古屋駅まわりの賑やかさとは別世界で、風の音がちゃんと聞こえるような通りにぽつんと灯りがある感じ。

ラーメンのためにわざわざ行く店って、こういう立地にあると強いんですよね。

店名の通り“東京味噌スタイル”を名乗るだけあって、味噌の輪郭がやけにシャープで、しかも花山椒の痺れまで絡めてくる。

正直、派手な演出で誤魔化すタイプかと疑ってた自分を、丼の一口目で黙らせてきました。

今回は、名古屋ラーメン巡りの中でも記憶に残りやすいこの一軒を、ランチ目線とディナー目線の両方で、体温が残るうちに書いていきます。

店舗情報

店名 tokyo miso style IKEDA
住所 〒453-0851
愛知県名古屋市中村区畑江通7-8-1
営業時間 火・水・木・金・土:11:00〜14:00、18:00〜21:00
日:11:00〜14:00
※スープ無くなり次第終了
定休日 月曜日
交通手段 地下鉄東山線「岩塚駅」徒歩6分
近鉄名古屋線「烏森駅」から徒歩8分
支払い方法 現金のみ
お問い合わせ 052-482-8689

グーグルマップ

設備

席数 15席
個室 無し
貸切 不可
喫煙 禁煙
駐車場 有り

中村区の住宅街で、いきなり“名店の空気”に当たる

畑江通のあたりは、観光でふらっと来る人が多い場所じゃありません。

だからこそ「中村区 ラーメン」で探している人に刺さるんですが、初見だと通り過ぎやすいのも事実です。

東山線の岩塚駅から歩いて数分、店に近づくにつれて、やけに腹が減る匂いが濃くなる瞬間がありました。

暖簾の手前で一回止まって、車のキーを握ったまま「今日、味噌でいけるか?」って自分に聞くんです。というのは、味噌って体調によって重く感じる日があるから。

ところが扉を開けたら、空気が思ったより軽い。脂の匂いでむせる感じがなくて、むしろスパイスっぽい立ち上がりが鼻に抜ける。

ここで「ただの味噌ラーメン屋じゃないな」と、先に胃が覚悟を決めました。

営業時間は昼と夜に分かれていて、昼は11時から14時、夜は18時から21時が基本で、月曜は休みです。

ラストオーダーが少し前に締まるので、仕事終わりに寄るなら時計は見た方がいいです。

席に座った瞬間、落ち着くのに落ち着きすぎない

席数は多くない店です。だから、タイミングが悪いと外で待つことになりますし、店内の“回転”を読む目も必要になります。ところが不思議で、席に着いた瞬間に「急かされる」感じは薄い。カウンターの距離感がちょうどよくて、隣の客のレンゲの音が近いのに、気になりすぎない。こういう空気づくりって、建築の現場でもそうなんですが、狙って作ると逆に嘘っぽくなる。ここは自然にできてるタイプです。
ただし、いい店ほど「自由にダラダラできる喫茶店」みたいな使い方は向きません。なぜなら、昼のピークは短いし、スープが切れたら終わる雰囲気もある。落ち着くけど、店のテンポには乗った方が結果的に気持ちいい、そんなバランスです。

メニューを見て、想像とズレたのは“痺れ”の立ち位置

ここは味噌ラーメンの店です。なのに、メニューを眺めて最初に目に飛び込むのが「しびれみそ」。味噌の甘みやコクを前に出すというより、花山椒の痺れを看板にしてる。名古屋で味噌ラーメンを食べ歩いてると、辛さや痺れを“後付け”で乗せる店はあります。でもここは逆で、痺れが最初から設計図の中心にいる感じがしました。
そして、ここで自分は一回ミスります。本当は初回、王道の「みそ」を頼むつもりでした。初見の店で変化球を投げると、基準が分からなくなるからです。ところが隣の席の兄ちゃんが「しびれみそ大盛りで」って言った瞬間、心が揺れました。自分の中のラーメン好きが「ここは看板でいけ」って囁いたんです。で、口が勝手に「しびれみそ、お願いします」って出てしまった。こういうの、ありますよね。

しびれみそ:量・味・特徴・向いている人

丼が置かれた瞬間、まずスープの色が濃い。味噌だから濃いのは当たり前なんですが、ここの濃さは“とろみ”の濃さでもあります。レンゲを入れると、液体というよりソース寄りの重みが返ってくる。なのに、香りはやけに立体的で、花山椒の青い香りがふわっと乗ってくる。
一口目は「思ったより辛くない」。ところが二口目、三口目でじわじわ痺れが広がって、口の端が軽く震える。辛さで殴るんじゃなく、旨味の上に痺れが腰掛けてくる感じです。味噌の甘みもいるのに、だらっとしない。濃厚なのに妙に箸が止まらないのは、このバランスのせいでしょう。
量は一般的な一杯として満足できるサイズ感ですが、スープが濃いので「大盛りにすると後半しんどいかも」と途中で気づきました。自分はその瞬間、ちょっと後悔しました。最初は調子よく食べるんですが、後半はレンゲが重い。だから、初来店なら普通盛りで様子を見るのが安全です。
向いているのは、味噌ラーメンが好きで、さらに“痺れ”が嫌いじゃない人。逆に言うと、正直、痺れが苦手な人には向かないです。無理して食べると、味噌の良さを感じる前に口が疲れます。

濃厚・魚介みそ:名古屋の味噌文化に、別の線を引く一杯

次に気になったのが「濃厚・魚介みそ」系。味噌と魚介って、やり方次第で生臭くなるし、味が散らかりやすい。ところがここは、味噌の核を崩さずに魚介の輪郭を足してくる方向で、濃厚なのに“情報量が整理されてる”感じがします。味噌の甘み、コク、香りに、魚介の旨味が背骨みたいに通る。
向いているのは、名古屋 味噌ラーメンを食べ慣れていて、「もう少し複雑な深みが欲しい」と思ってる人です。一方で、味噌の素朴さ、家庭っぽさを求める人には、ちょっと都会的すぎるかもしれません。店名の“tokyo”は伊達じゃないです。

サイドの罠:とろチャーシューごはんで満腹計算を誤る

スープが濃い店で、つい頼みたくなるのがごはんものです。ここも例外じゃなく、とろチャーシューごはん系が誘惑してきます。自分は「ラーメン一杯なら余裕だろ」と思って、勢いでサイドまで付けました。
ところが実際は、スープの密度が高いぶん、胃の中での“体積”が増える。そこにとろっとしたチャーシューと米が入ると、満腹が一気に上がってくるんです。食べ切れはします。でも、後半は「なんで俺は毎回こうなんだ」って自分にツッコミを入れながら食べることになります。がっつり食べたい人には最高。ただし、初回からフルセットにすると、店の繊細さより満腹感が勝つ可能性があります。

支払いは現金、駐車は“読み”が必要。ここが好みの分かれ目

この店、支払いは基本的に現金前提です。
そして車勢としては駐車の話もしておきたい。専用駐車場の情報は見え方に揺れがあるので、最初から「近隣のコインパーキングを使うつもり」で組み立てた方が気が楽です。店の前でうろうろすると、それだけで気持ちが落ち着かなくなる。ラーメンって、食べる前の機嫌が味に直結するんですよね。
ただし、それでも自分は通います。なぜなら、この一杯は“わざわざ”を回収してくるからです。

ランチでもディナーでも強いが、初回は昼がいい

ランチはシンプルに「一杯と向き合う」時間になりやすい。ディナー帯は仕事終わりの客が混じって、店内の温度が少し上がります。どちらも良さがありますが、初回は昼がおすすめです。というのは、スープの重さや痺れの強さを、落ち着いて把握できるから。そこで自分の好みの落としどころを決めてから、夜に“攻める”方が失敗が少ない。
予約は基本不可なので、時間の読みと、気持ちの余裕が武器になります。

最後にひと言。名古屋の味噌ラーメン好きにはぜひ

名古屋ラーメンの文脈で語ると、この店は“王道”の顔をしながら、結構クセがあります。花山椒の痺れ、濃厚さ、都会的な設計。だから、万人に勧める気はあまりありません。自分はラーメンに「尖り」を求める派なので刺さりましたが、優しい味噌で癒やされたい人は、別の店の方が幸せかもしれません。
それでも「味噌ラーメンの概念をちょっと変えたい」「中村区で、記憶に残る一杯を引きたい」なら、tokyo miso style IKEDAはかなり強い札になります。岩塚 ラーメンで探している人も、烏森方面から来る人も、一度だけは腹を空かせてぶつかってみてください。負けるか、ハマるか、そのどっちかです。