名古屋東区、高岳駅近くの完全個室の高級店、ヤキニクあさひ

焼肉は、外食の中でも「失敗したときのダメージ」が大きいジャンルだと思っています。

なぜなら、単価が高いわりに、席の空気や接客、焼き加減ひとつで満足度が大きく揺れるからです。

しかも私は営業職で、会食や経費利用の“ちょっと格好つけたい夜”が定期的にやって来ます。

そのため、「雰囲気も味のうち」みたいなことを言いながら、内心はずっと計算しているタイプです。

なお、その計算はわりと浅くて、見栄と承認欲求が電卓を握っているだけだったりします。

家では3歳と5歳に挟まれて、肉は秒で奪われ、白ごはんは私の分だけ冷めていきます。

だからこそ外で焼肉を食べる夜に、私は少しだけ“ちゃんとした大人”に戻りたいのです。

ところで、名古屋の焼肉で「個室」「接待」「記念日」あたりのワードに反応する人は多いはずです。

新栄や高岳、栄あたりで探していると、候補はたくさん出てきます。

ただし、情報が多いほど選択は難しくなります。

そんなときに、マンションの2階にある隠れ家で、全席完全個室で、しかも焼き師が焼いてくれる。

そう聞いた瞬間、私の中の営業スイッチが勝手に入ってしまいました。

「ヤキニク旭」。

今日はこの店について、行った人の体験の温度を頼りにしつつ、私自身が店に足を運んだ目線で書きます。

そして、格好つけたい自分と、失敗したくない自分と、値段にビビる自分を、全部まとめて連れていきます。

ヤキニク旭の入り方はマンションのオートロック

ヤキニク旭があるのは、愛知県名古屋市東区東桜2-12-25のメゾン森2Fです。

新栄町駅から徒歩5分、高岳駅からも徒歩5分、栄駅からでも徒歩8分という距離感で、名古屋 焼肉の中心地から少しだけ外れた場所にあります。

そのため、「栄 焼肉」で探していた人でも、歩いて辿り着けるのに、到着した瞬間はちゃんと“別世界”に見えます。

というのは、店が路面ではなくマンションの中にあり、オートロック越しに名乗って入る導線があるからです。

私はこの時点で、少しだけ背筋を伸ばしてしまいました。

また、同時にこうも思いました。

「ここ、嫁と子どもを連れてくる感じじゃないな」。

家族向けというより、会食向き店の空気が入口の段階で漂っているのです。

ただし、入口が“格好いい”ほど、値段も格好いい可能性が上がります。

私はエレベーターの中で、スマホのメモに「上限2万」と書いて、自分に暗示をかけました。

見栄は張りたいのに、住宅ローンがそれを許さない。

この矛盾を抱えたまま、扉の前で一呼吸して入ります。

全席完全個室という安心感と、妙な緊張。

席に案内されると、完全個室の静けさがまず来ます。
そして、壁の向こうに他人がいるのに、存在感が薄い。
その違和感が、私は嫌いではありませんでした。
なぜなら、会食の場は「声のボリューム」「隣の会話」「妙な視線」など、余計なノイズで失敗することがあるからです。
その点、ヤキニク旭は最初からノイズが少ない。
また、個室の扉が閉まった瞬間に、私は自分の表情を一回リセットしました。
営業の癖です。
ところで、ここで一つ目の“揺れ”が起きます。
安心するはずの個室なのに、逆に緊張してしまったのです。
というのは、個室がきれいで、しかも店員さんが落ち着いていて、こちらの粗が全部見透かされそうに感じたからです。
「今日は接待じゃないのに、接待の顔をしなきゃいけないのか」。
そんなことを考えている自分が、我ながら小物で笑えてきました。
ただし、この“笑える小物感”がある日は、だいたい店選びを外しません。
なぜなら、気を抜いていないからです。

焼肉の主役が“自分の腕”ではない夜。

ヤキニク旭は、各個室で専属の焼き師が焼いてくれるスタイルとして語られる店です。
そして実際、焼きの段取りがこちらの都合より先に組まれている感覚があります。
私は普段、焼肉では無駄に焼き加減を語りたくなるタイプです。
「タンは片面だけ強火で」とか言って、通ぶるやつです。
なお、家だとそれを言った瞬間に子どもがタンを取っていきます。
しかしこの店では、私が通ぶる余地が少ない。
焼き師の手が、淡々と、でも丁寧に、肉を“正解”へ運んでいきます。
そのため、私は途中から「喋ること」より「食べること」に集中してしまいました。
そして、喋らない営業マンほど不気味なものはないので、内心で焦りました。
「今日、相手がいたら危なかったな」。
こういう恥ずかしい気づきも、個室だと素直に飲み込めます。

メニューを見た瞬間に、予算が一回死にます。

さて、注文の場面です。
私は“失敗しない営業型”を名乗りながら、実はメニューを見るとすぐ弱くなります。
なぜなら、数字が並ぶと、気持ちが小さくなるからです。
ヤキニク旭はコースが強い店で、12,000円の特上、15,000円の特撰、18,000円の極、25,000円の至高といった価格帯が見えてきます。
この時点で、私の「上限2万」というメモが、汗をかき始めました。
そして私は最初、格好つけてこう言いかけました。
「じゃあ、特撰コースでお願いします」。
ところが口の端が動いた瞬間、頭の中で住宅ローンが割り込んできます。
また、妻の顔が浮かびます。
「あなた、また見栄で選んだでしょ」。
そのため、私はすぐに言い直しました。
「特上コースの内容、もう少し教えて下さい」。
この言い直しが、我ながらダサい。
ただし、ダサさを隠して高いコースに突っ込むより、ダサくても情報を取りに行く方が営業は長生きします。
ここは“失敗しない”を取りにいきました。

コースの流れが、会食向きに設計されている。

特上コースの流れを追うと、前菜がいきなり強い。
そして、焼肉なのに「前半で空気を掴む」構造になっています。
なぜなら、いきなり肉だけで殴らず、炙りや手巻きのような“話題になる皿”を挟んでくるからです。
会食で一番怖いのは、沈黙です。
その点、この店は料理が勝手に会話を作ってくれる。
また、焼き師が皿の意味を短く説明してくれると、こちらはそれを受けて相手に投げればいい。
営業マンのずるいところですが、料理の力を借りて、場を整えられます。
ただし、料理が上品でテンポが良いほど、量の読みは難しくなります。
私はここで二つ目の“揺れ”に入ります。
「これ、満腹になるのか」。
家族焼肉の“腹パン”が基準の人は、たぶん最初に戸惑います。

上塩タンの登場で、場の温度が一段上がる。

塩タンが出てきた瞬間、肉の色が静かに強い。
そして焼き師が、焼き面の表情を見ながら、ほんの短い時間で裏返します。
その手が迷いません。
私はその様子を見て、変なところで安心しました。
というのは、自分が焼かない焼肉は、最初だけ落ち着かないのです。
「自分の責任じゃない焼き加減」に、体が慣れていない。
しかし一口目で、その違和感は消えました。
脂の香りが軽く、歯が入った瞬間に反発が少なく、塩の当たりが前に出すぎない。
量としては、ガツンと腹を埋めるタンではなく、“良いタンを食べた”という記憶を残すタイプです。
そのため、タンを主食にしたい人には向かない。
私は正直、タンで白ごはんをかき込みたい派なので、この上品さは少しだけ寂しい。
ただし、その寂しさがあるからこそ、次の皿が楽しみになってしまう。

シャトーブリアンカツサンドは、正直ズルいです。

名物として語られがちなシャトーブリアンカツサンドが来ます。
この皿は、会食でもデートでも、ほぼ反則です。
なぜなら、見た目が強い。
そして、切った断面が“成功”を約束してしまうからです。
私はここで、格好つけたい自分が完全に勝ちました。
「これ、写真いいですか」。
大人の男が、肉の前で急にインフルエンサーになります。
なお、家では子どもに「早く食べて」と言われます。
一口かじると、衣の香ばしさが先に来て、そのあとに肉の甘さが追いかけてきます。
噛む回数は少なくて済むのに、満足感は深い。
量としては、200gの表記が見えることもあり、二人だとちょうどよく共有できるサイズ感です。
ただし、一人で抱えると、ここで満足してしまって後半の肉が霞む可能性があります。
私は実は最初、これを“単品でも追加できるなら最後に頼もう”と思っていました。
しかし周囲の流れを想像した瞬間に考え直しました。
なぜなら、このカツサンドは序盤に置くことで、空気が一気に温まるからです。
会食なら早めに勝っておく。
営業の悪い癖が、ここでは正解に寄ります。

サラダや前菜が、焼肉の呼吸を整える。

この店は肉だけで押し切らず、途中でサラダや前菜が挟まります。
そして、それが“高級焼肉の満腹感の作り方”になっています。
私は昔、焼肉でサラダを軽視していました。
「肉の前に草を食うな」と思っていました。
ところが30代後半になると、草を挟まないと肉が重い。
そのため、ここでサラダが入ると助かります。
また、個室で会話をしていると、肉だけだと話題が単調になります。
前菜の変化は、その単調さを切ってくれます。
ただし、野菜が丁寧な店ほど、値段の丁寧さも比例します。
私はサラダを食べながら、なぜか財布の厚みを思い出していました。

赤身の出し方が、合理的でいやらしい。

コース中盤以降は、赤身系や部位の違いが出てきます。
ここで感じたのは、「味の筋道が見える」ということです。
なぜなら、塩の皿、タレの皿、薬味で表情を変える皿と、役割が分かれているからです。
私は合理的なものが好きです。
そして同時に、合理的な演出に弱いです。
「この順番、ちゃんと考えてますね」。
つい言いたくなる。
なお、言った瞬間に“分かってる客”を演じている自分に気づいて、少し恥ずかしい。
ただし、恥ずかしさを抱えたまま食べる肉は、なぜか美味いです。
赤身は、脂の派手さより、噛むほどに旨みが出るタイプで、量は一枚が重すぎない。
そのため、会食で「重いの苦手で」と言う相手にも合わせやすい。
一方で、脂の幸福を求める人には、ここは物足りない時間になるかもしれません。
私はどっちも好きなので、結局ずるい顔で食べました。

すき焼き風の皿で、判断を誤りかける。

途中で、ロースのすき焼き風のような皿が出てきます。
ここで私は、軽い注文ミスをしそうになりました。
というのは、甘めのタレと卵の気配がすると、白ごはんが欲しくなるからです。
私は勢いで「ごはんもらえますか」と言いかけました。
しかし、すぐに思い直します。
なぜなら、この店の〆にはカレーが来る流れが見えるからです。
ここでごはんを入れたら、後半の設計が崩れる。
また、会食なら「自分だけごはん先にもらう」絵面も微妙です。
そのため、私は一回飲み込みました。
そして、肉を卵にくぐらせた瞬間、飲み込んだ自分を褒めました。
甘さが強すぎず、肉の香りが残って、卵が主張しすぎない。
量としては、がっつりすき焼きではなく、焼肉の流れを壊さない程度のアクセントです。
ただし、甘い味が苦手な人には、ここで好みが分かれる。
私は甘いタレが好きなので、ここは素直に刺さりました。

喫煙所の存在が、意外な“人を選ぶ点”になる。

全席禁煙で、別途喫煙スペースがある流れを想像すると、タバコを吸う人には一手間が入ります。
会食で喫煙者がいると、この“一手間”がリズムを変えます。
そのため、喫煙者のいる接待では、序盤に一度タイミングを作っておくのが安全です。
また、個室で閉じている分、外に出ると温度差が出ます。
私はタバコを吸いませんが、吸う側の“間”は気になります。
ここは好みと用途で評価が変わる部分です。

価格帯のクセは、正直に言うと“覚悟”が必要です。

ヤキニク旭は、名古屋で高級焼肉を探す人にとって候補になりやすい店です。
そして実際、予算は夜で1万円台から上のゾーンが中心になります。
そのため、ふらっと「新栄 焼肉」で検索して入ると、想像より会計が伸びる可能性があります。
私は今回、途中で何度か「これ、経費じゃなかったら震えるな」と思いました。
なお、震えながら食べる肉は、味が落ちます。
だから、ここに来るなら最初から“覚悟”を持って来た方がいい。
ただし、覚悟がある人にとっては、個室と焼き師と料理の設計が、ちゃんと見返りになります。
私は見返りを感じました。
ただ、見返りを感じたと言いながら、明細を見た瞬間に一回黙る自分も想像できます。
それが人間です。

ネガ寄りの声がある店だからこそ、合う人を絞った方が幸せです。

この店は評価が高い一方で、期待外れと感じた人の声も見えるタイプです。
そのため、私は「誰にでもおすすめです」とは言いません。
正直、安さを最優先にする人には向かないです。
また、焼肉は自分で焼いてこそ、という主義の人にも合わない可能性があります。
なぜなら、焼き師が主導する分、“自分の焼肉”ではなく“店の焼肉”になるからです。
一方で、失敗したくない会食、個室で落ち着いて話したい夜、記念日で空気を整えたい人には、かなり強い。
私は営業なので、ここに価値を置きます。
ただし、家族でワイワイ、子どもが走り回るような楽しい焼肉を求めるなら、別の店の方が幸福度は高い。
子ども可であっても、空気が大人寄りです。
私はそこを、良いとも思うし、少し寂しいとも思います。

〆のカレーで、満腹の作り方が完成する。

終盤に、肉屋のカレーのような〆が来ると、ここで初めて「ちゃんと腹に落ちた」と感じます。
焼肉の満足は、脂の記憶だけでは作れません。
なぜなら、最後に“ごはん系の納得”があると、人は「食べきった感」を得るからです。
私はさっきごはんを我慢していたので、ここで報われました。
そして、我慢していた自分をまた褒めます。
こういう小さな勝利で、私は生きています。
ただし、カレーが来る頃には酒も進んでいることが多く、味の記憶が少し曖昧になります。
そのため、記念日で行くなら、飲みすぎない方がいい。
格好をつけたい夜ほど、翌朝の自分が嫌いになります。
私は何度もそれをやっています。

結局、ヤキニク旭は“使い方”で評価が決まります。

ヤキニク旭は、全席完全個室という強い武器を持っています。
そして、焼き師が焼いてくれることで、肉の失敗確率が下がります。
そのため、「接待 焼肉」「名古屋 個室 焼肉」「名古屋 記念日 焼肉」などで店を探している人にとって、刺さりやすい店です。
また、シャトーブリアン カツサンドのような記憶に残る名物が、場の温度を上げてくれます。
一方で、立地は路面ではないぶん初見だと迷う可能性があり、駐車場もないため車派にはコインパーキング前提になります。
こういう小さな不便が、当日のテンポを崩すことがあります。
私はアルファードに乗っているのに、結局、都心はコインパーキングに怯えます。
格好つけて車で来て、駐車場探しで汗をかく。
このダサさも含めて、私は自分のことを嫌いになれません。
ただし、そういう不便を許せる夜に使うなら、この店は強いです。
私は次に行くなら、相手のタイプを見て、コース内容15,000円あたりを軸に検討します。
なぜなら、格好よさと財布の痛みのバランスが、その辺りにありそうだからです。
そして最後に、私らしい一文を置きます。
正直、焼肉で“自分が主役”になりたい人には向かないです。
でも、焼肉で“相手に恥をかかせたくない人”には、かなり向いています。
私は後者です。
見栄を張りたいのに、失敗が怖い。
その弱さを抱えたままでも、この店なら、わりと上手く立っていられます。